近年、キャッシュレス決済が急速に普及してきましたが、それに伴いポイントサービスも存在感を増しています。

そして2024年4月、これまでの「Tポイント」と「Vポイント」が統合して、新しい「Vポイント」がスタートしました。

これにより、いわゆる「ポイント経済圏」の勢力争いがますます熾烈なものになりそうです。各ポイント経済圏が、消費者を囲い込むために様々なサービスやキャンペーンを展開していくことが予想されますので、上手に利用したいものです。

いまやポイント経済圏は、あらゆるサービスに及んでいるため、日常の様々な場面でポイントが貯まっていきます。お忙しい医師の皆さまも、日々の生活の中で意識せずとも沢山のポイントが貯まっているかもしれません。

貯まったポイントの使い道は、ショッピングにとどまらず、投資やふるさと納税などにも広がってきていますので、ポイントを無駄なく活用してみましょう。

ポイント経済圏とは?

ポイント経済圏とは、グループ企業や提携する複数の企業の店舗やサービスをまたいで利用できる共通のポイントを持つ経済圏のことです。

ひとつの経済圏の中でサービスなどを利用すると、その経済圏で共通のポイントが付与され、貯まったポイントで様々な支払いをしたりできるという仕組みです。いわば、ポイントが経済圏の中で通貨のような役割を果たすのです。

特定の店舗などに限定されたポイントと違って、業種を超えて複数の店舗やサービスに渡ってあらゆる場面でポイントが貯まっていき、効率よくポイント還元を受けられるお得なシステムですので、上手に利用したいものです。

5大ポイント経済圏

様々なポイント経済圏がありますが、中でも存在感を増している5大ポイント経済圏があります。それぞれの延べ利用者数が1億人を超えるといわれる巨大な経済圏です。

では、5大ポイント経済圏について、それぞれの特徴を見ていきましょう。

( 2024年6月現在 )
※概要ですので、詳細は各サイト等にてご確認ください。

Vポイント経済圏

2024年4月22日、従来の「Tポイント」と「Vポイント」が統合し、新しい「Vポイント」として生まれ変わりました。

Tポイントといえば、レンタルショップTSUTAYAのポイントとして有名でした。

コンビニなど提携先の店舗やネット通販でもポイントが貯まる共通ポイントの先駆けでしたが、近年はレンタル事業の衰退や、他の共通ポイントの躍進などにより、苦戦していました。

そこで、金融系に強みを持つ三井住友(SMBC)グループのVポイントと統合して、日本最大級ともなる新たなポイント経済圏が誕生することになったのです。

従来のTポイントの提携先に加えて、世界のVisa加盟店でもポイント利用できることは大きな強みとなり、利便性が大幅に向上し、存在感を増していくことでしょう。

◆三井住友カードの支払いで、ポイントが貯まる
◆提携先や国内外のVisa加盟店で、ポイント払いができる
◆「VポイントPay」アプリで、貯めたポイントをPay残高にチャージ
◆三井住友カードのタッチ決済で、最大7%ポイント還元
◆デジタル口座「Olive」で、最大20%ポイント還元
◆Ⅴポイントアッププログラム対象サービス利用で、最大20%ポイント還元
◆SMBC日興証券・SBI証券で、ポイントが貯まる

※従前のⅤポイントとTポイントの両方を持っている場合は、ID連携すればポイントを合算できます。

楽天ポイント経済圏

楽天グループの様々なサービスを利用することで、楽天ポイントを貯めたり使ったりできる経済圏です。あらゆるサービスを網羅していて、知名度は抜群でしょう。

ショッピングは楽天市場、支払いは楽天カードや楽天ペイ、携帯電話は楽天モバイル、その他にも旅行や銀行、証券など幅広く、70を超えるサービスが提供されていますので、ポイントを効率的に貯めて活用しやすく、人気があるのも頷けます。

ポイントの還元率などが見直されたりして改悪と言われつつも、なお強大な経済圏であることに変わりはなく、今後も目が離せないポイント経済圏です。

◆SPU(スーパーポイントアッププログラム)で、ポイント最大17倍
◆楽天スーパーセール・お買い物マラソンで、ポイント最大11倍
◆楽天ふるさと納税で、ポイント獲得&ポイントで寄附
◆楽天証券のNISAで、ポイント獲得&ポイントで投資
◆楽天ペイとモバイルSuica連携で、ポイントチャージ可能
◆楽天銀行・楽天損保・楽天トラベル・ぐるなび・楽天エナジーなど多種多様

※各種キャンペーンにはエントリーが必要であったり、期間限定ポイントもありますので、注意しましょう。

PayPayポイント経済圏 

QRコード決済で大成功したPayPayのポイント経済圏で、ソフトバンクグループのサービス利用を中心としてポイントが貯まっていきます。

サービス開始以来、急速に加盟店を増やしてきたPayPayは、QRコード決済を普及させ、利用者数を増加させながら成長し続けています。ソフトバンクユーザーはポイントが貯まりやすく、「ソフトバンク経済圏」ともいえるでしょう。

PayPay独自のインパクトの強いキャンペーンがあったり、ポイントに有効期限が無いということも、PayPayポイントの特徴です。

◆ソフトバンクユーザーは「ペイトク」プランでポイント還元率アップ
◆「超PayPay祭」開催中、スクラッチくじで1等なら最大で全額還元
◆毎月の利用状況等に応じてポイント付与率が上がる「PayPayステップ」
◆自治体コラボキャンペーンにて、最大30%ポイント還元
◆Yahoo!JAPANのIDやLINEポイントと連携し、ポイント利用や交換
◆PayPay銀行・PayPay証券・PayPayグルメ・Yahoo!トラベルなど幅広く提供

※2025年1月以降、PayPayアプリで他社のクレジットカードが利用できなくなることが発表されています。

Pontaポイント経済圏

Pontaポイントは、三菱商事の子会社であるロイヤリティマーケティングが中心となって立ち上げた共通ポイントサービスで、ローソンや昭和シェル石油などのポイント会員を移行・統合して誕生したポイントです。

その後、リクルートポイントやau WALLETポイントと統合して着実に拡大しながら、現在のPontaポイント経済圏を形成しています。auユーザーには「au経済圏」として人気を得ています。

金融分野のサービスに力を入れたり、あらゆるサービスをカバーしており、今後のサービスの充実度によっては、ますます強大なポイント経済圏となるでしょう。

◆「auマネ活プラン」で預金の金利優遇や積立投資のポイント還元率アップ
◆auカブコム証券・SBI証券などで、ポイント投資
◆auPAYふるさと納税で、ポイント獲得&ポイントで寄附
◆auPAYマーケットの「お得なポイント交換所」で、ポイントアップ
◆16:00~23:59のローソン利用で、通常の倍ポイント
◆じゃらん・ホットペッパーグルメ・auでんき・auじぶん銀行など広範囲

※リクルートID・auIDと連携することで、Pontaポイントがひとつにまとまります。

dポイント経済圏

ドコモポイントから名称変更したdポイントの経済圏で、NTTドコモのサービスや加盟店の利用でポイントが貯まっていくシステムです。NTTドコモの通信サービスの質はトップクラスで、古くからの根強いユーザーも多い「ドコモ経済圏」です。

Pontaポイントと同じく、リクルートのサービスでもポイントを貯めて利用できるので、ホットペッパーグルメ、ホットペッパービューティー、じゃらんなど幅広い分野で活用されています。

また、マネックス証券と提携して投資分野を強化していくことや、Amazonとのポイント連携も発表されており、今後の展開が楽しみなポイント経済圏です。

◆毎週、金・土「d曜日」にネットでd払い利用で還元率アップ
◆dポイントクラブのランクアップに応じてポイント倍率アップ
◆ドコモユーザーがAmazonプライム月間プラン登録で、毎月120ポイント還元
◆マネックス証券で、投資信託保有でポイント付与(2024年秋頃開始予定)
◆SMBC日興証券・SBI証券で、ポイントが貯まる
◆16:00~23:59のローソン利用で、通常の倍ポイント
◆dスマートバンク・ドコモ光・ドコモでんき・メルカリなど、多岐にわたる

※毎月エントリーが必要なキャンペーンや、期間・用途限定のポイントもあります。
※マネックス証券のサービスは現時点(2024年6月現在)で発表されている内容であり、予定等は変更される可能性があります。

まとめ

5大ポイント経済圏について紹介しましたが、他にも航空系や鉄道系、イオンなどの経済圏もあり、各ポイントシステムがしのぎを削っている状況です。

どのポイント経済圏がいいのか迷ってしまいますが、日常的によく使うサービスや店舗、スマホキャリアなどを中心に選ぶと、自然にポイントが貯まりやすいでしょう。

また、クレジットカードやスマホ決済を活用することで、ポイントの二重取り・三重取りなども可能になりますので、よりお得な方法を習慣化するといいでしょう。

気を付けたいのは、ポイント獲得に夢中になりすぎてしまうことです。高還元率のキャンペーンだからといって不要な買い物で無駄遣いしてしまっては本末転倒ですので、注意が必要です。

今後も広がりを見せていくであろうポイント経済圏を賢く利用して、お得にショッピングを楽しんだり、上手に節約・投資できるといいですね。

ポイント還元率やキャンペーンなどは随時見直されたりしますので、ポイント付与要件等の詳細内容は、公式サイトなどでご確認ください。